文化が違えばデザインも違う

公開日2020年7月15日

日本のWebデザインとアメリカのWebデザインの違いを考えたことはありますか。
日本のデザインを見慣れている私たちにとっては、文字やバナーがたくさん並んでいたり、長いランディングページが当たり前。でも、各国で文化や生活習慣が異なる同じように、Webデザインも国によって好まれるデザインや、人々を魅了できるデザインは異なります。同じ商品をアメリカでアピールするにしても、日本と同じデザインで感性が異なるアメリカの人々を惹きつけることは難しいのです。そして、さまざまな観点から日本のデザインを改めて見ていくと、「日本のWebデザインは遅れている」とも言われるように、時代の流れとは違う独自の流れに沿ったデザイン文化であることが分かります。
今回は、日本とアメリカの文化背景の違いが生むデザインの相違性と、日本のデザインが世界のデザイントレンドから遅れてしまっているデメリットを見ていきましょう。

多言語・多人種文化のアメリカのWebデザイン

アメリカのWebデザインは、一言で言うと「シンプル」。余白を上手く作り、余裕のあるページ作りをしているという印象です。また、スライドショーなどのような大容量になる動画を取り入れることなく、メインとなる大きな画像とキャッチコピーを大胆に使用することで、何を売りたいのか、何を訴えたいのかが一目瞭然で分かるようになっています。ナビゲーションボタンやコンタクトインフォメーションなどはページのすぐに目につく位置に配置されており、ユーザーが必要な情報をすぐに見つけられる導線を創り出しています。
アメリカのデザインは、ユーザーに重要な情報を画像によって視覚的に訴え、余計なテキストを読む時間を省き、知りたい情報を簡単に見つけられるような「シンプル」なデザインになっているのです。「シンプル」という意味は、デザイナーが手を抜いていて不親切なデザインになっているのではありません。様々な人種が住んでいて、多言語が使われているアメリカでは、テキストではなく画像で(視覚的に)ユーザーに訴え、人種や言語の壁を越えて人々を魅了できるデザインが好まれているのでしょう。
アメリカは常にWebデザインのトレンドに敏感であるため、すでにモバイルユーザーに対応したレスポンシブ・デザインで組まれているWebサイトも多数あります。モバイルの画面上でもしっかりと訴求力が出るように、最新のデザインを取り入れてスタイリッシュに仕上げながらも、無駄を省いたページになっています。

情報過多・時代遅れ(!?)の日本のWebデザイン

さて、日本のWebデザインを考えてみましょう。思い浮かべるのは、たくさん並んだ小さな画像やバナー、所狭しと並んでいるテキストリンク、多数のカラム、Flash画像やスライドショー、余白の少ないページ…とにかくいろんな情報が詰まったデザインです。情報の多さに圧倒されることも少なくありません。
良く言うと「細部までこだわった手数の多いデザイン」なのでしょうが、悪く言うと「ごちゃごちゃしている」という感じでしょうか。
アメリカのデザインとは異なり、売りたいものや訴えたいものが一つではなく、ファーストビューで見えるスペースにたくさんの情報をまとめて伝えているという印象です。一番の売りにしたいものに加えて、キャンペーンやオススメプラン、季節的な広告などもすべてトップページへ詰め込まれていることもよくあります。
そして、日本のデザインの一番の特徴は、バナーでしょう。アメリカではほとんど見かけられませんが、日本ではどんな業種であっても、バナーが入ったWebデザインを採用していることが多いです。
このように、日本のWebサイトにはバナーやテキストが並んでいたり、多数のカラムで構成されている昔からのデザインが多いため、古臭い・時代遅れと言われる原因なのかも知れません。ただ、視覚的にではなく、伝えたい情報をしっかりとユーザーに届けたいという日本人の堅実な気質から、細かな情報を小さなスペースへ詰め込んでいるように思います。
また、他と異なることや大胆なことに挑戦することを好まないことや、「多勢に無勢」の考えがある文化であることが、なかなか日本のWebデザイン文化が変わらない理由ではないでしょうか。

アメリカと日本ではデザインがこんなに違う!

1点面白い例を見てみたいと思います。以下はアメリカと日本のアサヒビールのWebサイトです。

アサヒビール(日本)
アサヒビール(USA)

日本のサイトは、驚くほどたくさんのバナーが並んでいます。キャンペーン情報もおすすめコンテンツ情報もテキストではなくバナーで表示されており、下部にはたくさんの最新情報と新着ニュースのテキストリンクが貼られており、典型的な日本のWebデザインといったところでしょうか。また、トップページにはアレコレ様々な情報が詰め込まれていますね。
ユーザーとしては、一旦下までスクロールしてしまうので、肝心なナビゲーションボタンへは再度ページ上まで戻らないといけない導線になっています。しかも、ナビゲーションボタンはバナーが展開されるという作りで、あちこちにバナーが敷き詰められたデザインになっています。
日本のサイトとはガラリと異なるのが、アメリカサイトです。シンプル過ぎると言っていいほどシンプルですが、スタイリッシュさが前面に押し出されています。しかも、スクロールせずに一覧できる、ファーストビューとなる部分だけのページになっています。ナビゲーションはハンバーガーナビゲーションになっていて、少し見つけづらくアクセスしづらい感じもしますが、とことん無駄を省いて強調したい部分をとことん強調したデザインということなのでしょう。
同じ企業でも、アメリカと日本とではデザインの違いも情報の伝え方も大きく異なっています。

時代の波に乗れていない日本のデザインのデメリット

先に述べたように、日本のWebデザインは昔から大きな変化は見受けられず、時代の波に乗れていないと言っても過言ではないかも知れません。と言うのも、ほとんどの人がスマホやタブレットを使用するこの時代、アメリカではレスポンシブ・デザインの採用が当たり前になっており、多くの企業はユーザー環境に柔軟に対応しています。
では、なぜ日本のデザインが時代遅れと考えられるのか…それは、バナーやテキストリンクが並んだデザインはモバイル表示に適切ではないからです。現在、スマホからのWeb閲覧率は7割を超えていると言われています。日本のデザインは、その現状に追い付いていないのです。考えてみてください。バナーやテキストリンクをスマホで見ても、文字が小さくて読みづらいですよね。小さな画面上でテキストリンクをピンポイントで指で押すのも簡単ではありませんし、画面にぎっしり詰まった文字をスマホで読むのは大変です。日本のWebデザインは、スマホでWebサイトを当たり前に見るこの時代の波に乗れていないのが現状なのです。
そして、日本のデザインの特徴の中にもう一つのデメリットがあります。それは、バナーはSEO対策ができないという点です。バナーはあくまでも画像であるため、バナー上の文字にはSEO効果はありません。
ほとんどの企業が集客を目的としたWebサイトを作っているなか、SEO効果のないバナーでページを埋めるのはもったいないですよね。

時代に合わせた集客できるデザインを制作しよう

「最新のデザインだからこそ集客できる」とか、「アメリカのデザインが優れている」ということではなく、それぞれの文化や土地に応じたデザインが存在するということです。
ただ、様々な文化背景があるとは言えども、やはり時代に遅れを取らないデザインや技術をWebサイトに取り入れ、SEO対策をしっかり行うことで、より多くの人を魅了して集客数やユーザー数の増加につなげることができるのではないでしょうか。

カテゴリーブログ | 生徒

byEriko

今後の自分のためにキャリアチェンジをしたいと考えるようになり、興味を抱いたWebデザインを学ぶことを決意。ハワイに居ながら日本のデザインスクールのWebデザイナー講座を受講した後、海外のデザインや最新のWeb事情を学びたいと思い、IDo Webスクールへ入校。多くの人を惹きつける魅力的なデザイン・集客力のあるWebサイトを作れるデザイナーを目指して日々勉強中。
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